【ガンジス川の沐浴】聖地バラナシで、インドの神秘を体感しよう!

バラナシのガンジス川

▲聖地バラナシを流れるガンジス川

ガンジス川とは

ヒマラヤから流れ出る神聖なる川

シヴァ神の頭から流れ出るガンジス川ヒマラヤに源流を持ち、インド北部を流れるガンジス川は、全長約2500km、数多くの支流と広大な流域面積を持つ大河で、ヒンドゥー教徒にとって聖なる川とされています。

もとは天界を流れていた聖なる川が、人々の祈りによって地上を流れるようになり、その巨大さで地上を壊さぬようにシヴァ神が受け止めてくれているとされます。シヴァ神の頭から流れ出る様子が描かれるのはそのためで、ガンジス川自体もガンガーという女神とみなされます。

聖地バラナシはこんな場所

インドのツアーでは、バラナシを流れるガンジス川を訪れることが多く、この地域のガンジスは川幅の広い大河となって流れています。

バラナシの街は聖地とされ、車の入れない細い路地を抜けていくと広大なガンジス川が目の前に広がります。

静かで神々しく、神秘的な光景と、ガートと呼ばれる階段を降りて沐浴する人々の姿、そして川原にある火葬場。

ヒンドゥー教徒の生と死は、ここガンジス川に集約しているといっても言い過ぎではありません。

古からガンジスと共に流れる、悠久の時の流れを実感してみましょう!

ガンジス川で必見の沐浴風景

ガンジス川の水は、全ての罪を洗い流してくれると信じられているため、ヒンドゥー教徒にとってガンジス河で沐浴することは一生の夢です。ガンジス川にはガートと呼ばれる大きな階段があり、人々はそこから降りてガンジス川の水に身を浸します。男性はふんどし一丁のような姿で、女性はサリーを着たまま行うのが普通です。

ガンジス川に集まる人々

▲夜明けを待って人々が水に入る

ガンジス川の河原には火葬場が

遺体を燃やして灰にし、ガンジス川に流すことは、ヒンドゥー教徒にとって最大の願いです。ガンジス川の水は全てのものを浄化するため、この世の苦しみから解き放たれ、解脱(げだつ)できると考えられているからです。
そのため、ガンジス川の河原には火葬場があり、河原に薪を積んで遺体を燃やします。

写真の撮影は禁止ですが、おとなしくしていれば咎められることがないため、ここでしか感じられない雰囲気を体感してみてください。日本では考えられないことですが、ガンジス川ではずっと昔から続いています。インドの人々の、何ら隠すことのないありのままの営みを、ただ静かに見つめましょう。

ガンジス川の火葬場

▲ガンジス川の火葬場 近づいての撮影は禁止

ガンジス川の火葬場

▲別の火葬場。煙がたなびき、たくさんの薪が積まれている

聖なるお土産?ガンジス川の水

ガンジス川の水は、決して腐ることがないといわれ、遠くから来た人々は、お土産にとポリタンクにガンジス川の水を汲んで持ち帰る姿をよく目にします。そのためガートでは、ペットボトルやポリタンクが売られており、ガンジス川から遠いところに住むインド人(ヒンドゥー教徒)にガンジス川の水をあげると非常に喜ばれます。
ですが、宗教的には素晴らしいものでも、異教徒である私たちにとって、ガンジス川の水は決してきれいではありません。決して口に含んだりはしないようにしましょう。

ガンジス川の対岸

ガンジス川の対岸は砂地が広がり、朝もやや夕焼けの中で見ると、別世界のように思えます。かつて対岸は不浄の地とされていたそうですが、実際に見ると確かに、手漕ぎ船に乗って異世界に向かうような、美しくも少し恐ろしげな印象を受けます。

ガンジス川の対岸

▲三途の川を思わせる、ガンジス川の対岸

ガンジス川の一日

早朝から夜遅くまで、バラナシのガンジス川には多くの人が集まり、昔から変わらぬ一日が繰り返されています。

夜明けのガンジス川

バラナシを流れるガンジス川の朝は早く、夜の明けるずっと前から大勢の人々が集まります。ガンジス川の対岸から太陽が姿を現すとお祈りが始まり、人々はガートから川に入って沐浴します。

お祈りしながら水を浴びる人、口をゆすぐ人、ゴシゴシと体を洗い流す人など、スタイルは様々で、浮き輪を使って水遊びをする子供たちもいます。

ガンジス河で泳ぐ子供たち

▲火葬場のすぐ横で遊ぶ子供たち。生も死もここでは一緒

朝~昼のガンジス川

日中は多くの観光客が訪れ、たいていボートに乗って沐浴風景を見学します。入り組んだバラナシの街には車も入れないため、ガンジス川はもともと静かな場所ですが、川の上に出るとなおさら静かです。

木でできた昔ながらの手漕ぎボートで静かな水面を進むと、本当に静まり返った空気を感じられます。オールのきしむ音だけがする中、ガンジス川の風景は数百年も前から全く変わっていないのだと実感できます。

ガンジス川のボートトリップ

▲手漕ぎのボートでガンジス川の川面へ

バラナシのガンジス川

▲ガンジス川に集まる人々

夜のガンジス川

日が沈むと、バラモン(司祭階級)によるアールティー(ヒンドゥー教の礼拝)が行われます。お香が焚かれて燭台に火が灯され、伝統的なインドの楽器が音楽を奏で始めると、幻想的な光景が闇夜に浮かび上がります。

ガンジス川のアールティー

▲アールティーの様子

カンジス川で沐浴したい!という方に

時々、実際に沐浴をしてみたいという方もいらっしゃいます。私たちからはおすすめしませんが、どうしても行いたいというお声もあるので、注意点をご紹介します。

川の流れにはくれぐれも注意を

まず、少しでも水位が高ければ決して川に近づかないでください。また、穏やかに見えても川には流れがありますので、どうしても入りたい人は浅い場所で行うべきです。ガンジス川の水には透明度がほとんどないため、見ても深さが分かりません。そしてもし沈んだら全く見えないため、助けようにも助けられません。ガイドなしの単独で行うのは非常に危険ですのでおやめください。

ガンジス川で泳ぐ

▲もし入るならガイドの指示に従って!

ガンジス川で泳ぐ

▲天気が良ければ少しは透明度が

水質は非常に悪い

ガンジス川には遺体などの他、街の生活排水なども流れ込んでいるため、水質は非常に悪く様々な病原菌が溶け込んでいます。インドの人々と違って免疫を持たない私たちが本来入ってはいけない水で、現地ガイドも止めるほどです。それでももし入ったなら、できるだけ早くシャワーで体を洗い流すべきです。実際には、手で触れるか足を浸す程度にしておくことをおすすめします。

思いきり注目される

肌の白い日本人が沐浴を行うとものすごく目立つため、インド人には思いきり見られて、観光客からは写真を撮られまくります。特に女性の場合、水着で入ると非常に恥ずかしい思いをします。サリーなどを着用する方が賢明です。

ガンジス川で沐浴体験

▲水着で入ると、ものすごく目立って注目を浴びる

ガンジス川のガート

▲ガートで足を浸す程度が賢明な方法(それでも注目はされる)

その他のガンジス川情報

季節による違い

ガンジス川の水は、標高の高いヒマラヤの雪解け水が元になっています。そのため、例年8月から9月はヒマラヤの氷が溶けてガンジス河の水位が大幅に上がります。危険なためボートに乗れなくなるだけでなく、ガートに近づくこともできない日があります。
また、1月頃は涼しくてインド旅行のシーズンですが、ガンジス川には霧の発生することが多く、霧の濃い日にはガートすら見えないこともあります。知らずに行くとショックを受けますので、せめて予め知っておきましょう。

バラナシタウンのヒンドゥー寺院

入り組んだバラナシの街には、多くのヒンドゥー寺院が点在していますが、ガイドなしで辿り着くのは難しく、せっかく着いても観光客は入れないものもあります。例えばゴールデン・テンプルと呼ばれるヒンドゥー寺院は、異教徒は中に入れません。何か見学したい場合は、事前の下調べをきちんと行いましょう。

ガンジス川で、インドの神秘を体感しよう!

何と言ってもガンジス川の魅力は、インド人(ヒンドゥー教徒)の死生観を生で知ることができることです。生と死がこれほど近い場所は、世界を見渡しても他にないでしょう。

全てが昔のまま、ありのままの姿でそこにあり、きれいなものも汚いものも一緒くたに存在するごちゃ混ぜの世界。

それがガンジス川で体験できる、全く未知の世界です。

インドに行くと人生観が変わるという人がいますが、ガンジス川を訪れれば、大きな驚きと衝撃を受けることは確かです。

ぜひあなた自身の目で、驚きの世界を目の当たりにし、インドの神秘を体感してください。

聖地バラナシを流れるガンジス川

▲ぜひとも訪れたい、聖地バラナシのガンジス川

 

 

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